漁獲高【溝口】

函館市の水産物地方卸売市場では、スルメイカの漁獲高が5年間で4分の1に減少し、卸値は2倍に上昇したそうです。不漁の原因は海洋環境の変化と言われています。通常、九州南部沖合の産卵場で生まれ、夏から秋にかけて日本近海を北上しながら成長するスルメイカですが、今年は対馬暖流の流れが強く、通常の7割が韓国側を経由しているようです。

 

気候変動および、人口拡大により、自然から狩猟して食料を獲得する手法が成立しにくくなっているように思います。農耕、牧畜はさらなる効率化を目指す必要があり、魚類の養殖、畜養は拡大していかなければならないと思われます。

また、養殖、畜養技術が確立していない品種については、大きな漁獲制限を設けなければなりません。マグロ、サクラエビ、サンマ、などの日本近海での漁獲は壊滅的です。

 

養殖、畜養に関しては明るい話題もあります。技術的な問題を解決して、沖合養殖が可能となってきています。沖合養殖が広がり、多様な魚類の養殖が可能となれば、日本には膨大な海洋面積がありますので、輸入国から輸出国に転身することも不可能ではないでしょう。穀類の輸出国になることはあり得ませんが、魚類であれば輸出国になり得ることができます。

 

ヘリポートを持ち、豊かに生活できる洋上プラットフォームから、各種センサー類による自動育成システムを持つ生簀を管理するような養殖サイトができれば、気候変動に悩まされなくなり、人口拡大にも対応することができます。希少となってしまった魚種を鶏肉、豚肉のように一般化できたらいいですね。

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