獺祭【溝口】

山口県の「獺祭」という日本酒をご存知でしょうか?近年、非常に人気のある、フルーティーで女性にも人気の大吟醸酒です。旭酒造という蔵元が醸造しており、その経営方針が優れているということで、新聞に特集されていました。

過去、ビール醸造、レストラン経営の新規事業に失敗し経営危機説が広がったため、それまでの杜氏が「酒造りにもう来たくない」と言い出したことが経営革新の発端だったそうです。これを機に外部の季節労働者である杜氏に頼らない、社員による妥協のない酒造りを始められたそうです。
「酔うため、売るための酒ではなく、味わう酒を追求する」ことで生み出したのが、これまでにない精米歩合23%の大吟醸酒でした。しかしながら旭酒造は吟醸酒も大吟醸酒も作ったことがなかったため、吟醸酒造りを目指して6年間もの間、試行錯誤や失敗を果てしなく重ねたそうです。

現在、最も力を入れているのは海外市場の開拓であり、高級化路線で海外市場を切り開いたフランスワインがモデルだそうです。
また旭酒造の桜井社長は、地方経営者の事業意欲を心配されており、「売上高の微減というのは意外と心地いい。雇用維持できれば、昨日と変わらない明日がくる」という「縮小均衡」の罠にはまらないようにと警鐘を鳴らしています。

以前「獺祭」を少しだけ飲んだことがあります。とても美味しく、まさか杜氏を介さないで醸造したお酒だとは思いもしませんでした。この話を知って、また飲んでみたいと思いました。

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