ANA旅客機発注【溝口】

ANAがボーイングとエアバスの2社に、70機の旅客機を発注したとのことです。2020年時点の保有機数を現在より20機多い250機に拡大する計画で、購入額は計1兆7000億円にものぼり過去最大の投資となるそうです。

異例の大量発注となった理由は3つあり、ひとつ目の理由は退役が近づいている主力機を置き換える必要性があること。ふたつ目の理由は新型機に置き換えることにより燃費を改善すること(20%以上の効果があるそうです)。三つ目の理由は国際線を現在の1.5倍に拡大することだそうです。

ひとつ目とふたつ目の理由は、必然性を感じ分かりやすい理由となっていますが、三つ目の理由である「国際線の拡大」には、どのような背景があるのでしょうか。
人口が減り市場規模が縮んでいる国内市場だけに頼るのではなく、成長が望める海外市場に打って出るという目論見があるのではないかと思われます。

FTPなどによりグローバル化が進展しており、情報、モノ、人の流動化が著しく進んできています。また太平洋圏においてTPPが締結されることにより、ますます航空利用者数が増加することが見込まれます。
そのようななか、中・大型旅客機を製造できるのは世界でも上記の2社だけですので、今後、旅客機需要が増え、納入に時間がかかってしまう状況になることを懸念して、先手を打つために大量発注を実行したように感じます。
ANAの今後の戦略展開が楽しみになってきました。

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