全中廃止【溝口】

安部首相が全国農業協同組合中央会(全中)の廃止に意欲を燃やしているそうです。政府の規制改革会議が、全中廃止を柱とした農協改革案をまとめており、それに沿った改革をすすめることを産業競争力会議の席上で語ったそうです。
「今が、農政転換のラストチャンス」として、農畜産物流通を牛耳る農協、農地賃貸借を司る農業委員会、農地所有を制限する農地法、の三点を、セットで改革を断行するとのことです。
政府が農業改革を急ぐのは、TPPが日本の農業に大きなインパクトを与えることが予想されているためであり、これまで全中および農政族議員の無策により、長期間停滞していた農畜産物の生産や流通の成長を推し進めるためです。

先の総選挙において全中は、TPPにおいて重要五品目の関税を守ることを約束した自民党を推していましたが、その自民党に廃止を突き付けられ、完全に思惑と異なったのではないかと思われます。
言い換えると、日本の農業を守るため聖域を全力で守るけれども、同時に農業改革の阻害となる全中は潰すということであり、農業を守るという目的に沿っているので、全中の利害関係者以外(農業従事者を含む)には賛同を得られると思われます。

自民党のしたたかさに少し笑ってしまいましたが、全中の皆さんの心中は穏やかではないでしょうね。
さあ、農政族議員の皆さんは、今後どのような行動をとられるのでしょうか?以前は農業利益=農協利益だったのでしょうが、この方程式は崩れました。農業利益のために行動しますか?それとも、農協利益のために行動しますか?

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