ハブ港湾【溝口】

世界最大のコンテナ船は、港の水深が足りず日本の港には寄港できないそうです。これはあくまで象徴的な出来事であり、コンテナ船大型化の潮流に乗り遅れた日本の港は、実質的にハブ港湾の機能を釜山に奪われています。
昨今は、日本から欧州、北米に向かう荷物でさえも、釜山に運ばれるそうで、1980年代の神戸港が世界4位のコンテナ取扱量だったことから比較すると、国交省の港湾行政に大きな誤りがあったように思えます。

以前、釜山が国策として港湾整備を実施しており、巨大コンテナ船に対応できるコンテナ用クレーン、港湾深度を整備しており、老朽化した日本の港湾施設のままではコンテナ取扱を奪われるという雑誌記事を読んだことがあります。まさにこの記事の内容が現実化しているわけで、問題を指摘する人がいたにも関わらず、非常に残念な結果となってしまいました。

ちなみに航空機のハブ空港の座も、仁川、上海、バンコク、クアラルンプールに奪われています。これなどは利益誘導型政治の愚かさと、国交省の無策以外にありえないと思います。狭い国土の中に98もの空港を乱立させておきながら、たったひとつのハブ空港も整備できておらず、上記4空港に最低3本はある4000m級滑走路が、国内にはたった2本しかありません。

圧倒的な差があり、もう絶対に追いつくことはできないと思いますが、ハブ港湾、ハブ空港のような例をこれまで以上に増やすことが無いよう、政治、行政には十分に頑張ってもらいたいと思います。

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