ANA【溝口】

全日空(ANA)が国際線において、事業規模で日航(JAL)を超えたそうです。2010年の経営破綻で多くの路線を削減したJALに対して、羽田空港の新国際線枠をANAが多く獲得したためです。これにより国を代表する航空会社の通称である「ナショナルフラッグ・キャリア」が交代したことになります。

経営破綻によりJALは3分の1の路線から撤退することになり、座席キロ数も41%に減少してしまいました。対してANAは路線数を1.5倍に増やして、座席キロ数も約1.8倍となりました。
国際線に参入して60年のJALと28年のANAとでは、2倍以上の経験年数差があります。また国際線就航より60年間もの長きにわたり、これまで一度もフラッグシップ・キャリアの座を明け渡したことはないJALにとっては、非常に残念な結果だったに違いありません。

とはいえ、現在のレガシーエアライン業界(既存エアライン会社)にとって本当の問題は、レガシー同士での競争ではなくLCC(ローコストキャリア)との戦いとなることでしょう。
JAL、ANA双方にとってLCCは強力かつ共通のライバルとなります。今後はレガシー、アライアンス(提携航空会社グループ)という枠を超え、LCCとの競争がますます重要となってきます。

しかしながらLCC業界にも逆風は吹いているようです。全世界的なLCCの台頭により、パイロットの絶対数が足りず、運休が相次ぐエアラインもあるようです。
運賃価格が安価な分、色々と問題がある様子のLCCですが、上手に利用して、安く豊かな旅を楽しめれば嬉しいですよね。

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