バター品薄【溝口】

バターが品薄になり、スーパーでは購入個数制限を行い、町のパン屋さんではバター使用量の多いパンを、使用量の少ないパンに切り替えているそうです。

円安などで輸入に依存している乳牛飼料代が上昇していることや、将来安価な海外産バターが入ってくることへの不安から、廃業する酪農家が増えており、生乳の生産量が足りない状況となっています。
加えて、バター用より高価格で買い取りして貰え、日持ちしない飲料用牛乳を優先するため、バターの生産量が圧倒的に減少しているようです。
その結果、国産バターの在庫量は23年ぶりの低水準となっており、価格は前年より5.9%高くなり、30年ぶりの高値で取引されているそうです。

国産バターが少ないのであれば輸入すればいいのでしょうが、国内酪農家を守るためにバター輸入量は調整されており、高関税率の設定により実質的に自由に輸入することができない状況となっています。
バター不足を解消するため、政府は5月と9月に合計1万トン(国内消費の1.5か月分)の緊急輸入を実施したそうですが、それでも品不足に追いつかず、来年度も品薄の状態が続く見込みということです。

日本の農業の弱さを克服しない限り、このような商品はこれから益々増えることが予想されます。弱いから保護するのではなく、強くするための施策、努力が必要に思えます。

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