米西海岸物流停滞【溝口】

労使交渉によるストライキによって、米西海岸の物流停滞が深刻化しているそうです。日本向けの農産物や、米国向けの自動車部品の輸送が滞るなど、日本への影響も広がっているそうです。昨年マクドナルドが、フライドポテトLサイズの販売を停止したことは記憶に新しいかと思いますが、これもこの物流停滞が理由のようです。

フライドポテト以上に大きな影響かもしれないのが、日系自動車メーカーによる北米生産への悪影響です。組み立てに必要な日本産部品を、北米工場に届けられないためです。
ホンダは能力の半分以下にまで生産を調整しており、トヨタも減産の影響があるようです。またスバルは一部部品を空輸に切り替えており、その影響で輸送費は1ヶ月で70億円ほど増える見通しだそうです。
全米で5番目のコンテナ取扱量を誇るオークランドでは、おもに肉類、木材、農産物などを輸出しています。しかし物流の停滞で1月の日本へのコンテナ取扱量は前年同月から約半減しており、特に農作物は腐って売り物にならず、大きな被害になっているそうです。

2月20日深夜にようやく労使交渉が暫定合意に達して、9か月にわたるストライキが解消に向かうことになりました。この合意により貨物は動き出しますが、各港が平常に戻るためには数か月かかるとみられているそうです。
しかし停滞期間中に別の港に取り扱いが移った貨物は、平常になったからといって取り扱いが戻るとは限りません。ストライキは労働者にとって良い影響ばかりとはいかないようです。

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