安売り規制法案【溝口】

お酒の安売り規制法案が今国会で成立するそうです。大手スーパーなどの安値攻勢を受けた「まちの酒店」が働きかけた結果だそうです。規制案では、酒類販売業者が守るべき「公正な取引の基準」を定め、従わない業者の販売免許を取り消せるようにするそうです。

酒類販売の参入規制は1998年に段階的廃止が決定しました。その結果「まちの酒店」である一般酒販店は、1995年度は9万6千店でしたが、2012年度には5万5千店にまで減少しました。
2000年 2012年
一般酒販店 69.8% 33.1%
コンビニ 16.9% 31.5%
スーパー 7.2% 12.5%
量販店・ドラッグストア 6.1% 23.0%

ダンピングのような不当な安売りは独占禁止法により規制されていますが、大手販売店はお酒を集客商品と位置づけ、採算を度外視した仕入れ価格を割るような不当な安売りもあるようです。現実としてビール6缶当たりの店頭価格は、2002年の1220円から2015年の1140円まで下落しています。

独占禁止法に違反している状態は問題ですが、それを是正するために新たな規制を設けるというのでは、利権主義に逆戻りとなります。規制を行う対象は安全と安心を確保しなければならない分野だけにして、それ以外については自由競争が適切なのではないかと感じます。ダイエーでさえ淘汰された時代です。一般酒販店の役割は終わったのではないでしょうか。

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