ビール類の酒税【溝口】

ビール類の酒税を一本化するうえで、ビールの減税および発泡酒、第3のビールの増税が検討されているそうです。
各メーカーがビールの定義をすり抜ける発泡酒や第3のビールを開発することで、ビール消費はピークの4割にまで落ち込みました。同時に酒税もピークの6割に落ち込んでいるため、税率を一本化(55円)することで税収アップを図りたいようです。

ビール 発泡酒 第3のビール
税金(350ml) 77円 47円 28円
アサヒ 66.4% 9.9% 23.7%
サッポロ 55.3% 7.4% 37.3%
キリン 36.5% 28.2% 35.3%
サントリー 36.0% 0.8% 63.2%

大手各社の商品構成の違いが一本化を阻んでいた面もあります。アサヒはビールが7割を占めており一本化を歓迎ですが、サントリーは第3のビールが6割を占め増税の打撃が大きいと予想されます。
しかし、このままでは「ビールの味に近くて安い酒」の開発に明け暮れ、グローバル市場における日本ビールの存在感は発揮できません。世界規模でメーカー統合が進むなか海外への進出機会を自らの手で摘み取っているようなものです。

ただし「ビールそのものの味」で勝負してきた地ビールメーカーは追い風と捉えているようです。ビール類の税率が同じになれば発泡酒と第3のビールは無くなり、それらを消費していた人たちはビールを飲むようになります。地ビールメーカーにとって大きなチャンスが転がっていると言えるでしょう。

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