日本酒【溝口】

日本酒の生産量はピーク時の3割に落ち込み長期低落傾向にありますが、純米酒の生産量は5年連続で伸びているそうです。自然素材だけで造った純米酒が支持を集めており、やる気のある酒蔵が力を入れるようになってきています。
ワインは原産地呼称統制によりブドウ産地を明確にしていますが、日本酒はコメの運搬や貯蔵が容易なため原産地表記に厳密なルールがなく、他県のコメを使用することも多いようです。酒米の王者と言われる「山田錦」の主産地は関西地方なのですが、多くの酒蔵が山田錦での酒造りをおこなっています。

しかしながら「日本酒を飲む人を増やすためにいいものを造らないと」と、地元の素材にこだわり5km圏内の酒米だけを使う酒蔵や、酒米の生産を農家だけに任さず苗作りから自分たちで始める酒蔵などが出現しはじめています。
渡辺酒造店
新潟県糸魚川市 地元産米を使い、昨年産は8割が自社生産。田んぼ全てを見せられるのが強み。
泉橋酒造
神奈川県海老名市 地元産米を使い、地元7農家のコメが8割。自社生産も。今は純米酒のみ生産。
山根酒造場
鳥取県鳥取市 全量が県内農家の契約米。農家ごとにタンクを分け、ラベルに農家の名前を入れる。
高橋庄作酒造店
福島県会津若松市 地元産の酒米が9割弱。うち自社田が25%程度。
平和酒造
和歌山県海南市 紀州の風土を表現するため、自社田で栽培も。全国の蔵元が味を競うグランプリで優勝。

日本酒の輸出はこの5年間で6割強増えているそうです。TPPが発効すれば関税が撤廃され輸出に追い風になります。美味しい日本酒文化が続いていくよう、輸出が伸びるといいですね。

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