CAコンテナ【溝口】

TPP署名が完了した時勢を受け「CAコンテナ」を利用した青果物の船便輸出が、日本農業の突破口になるのではないかと注目を集めています。

青果物は収穫後も「呼吸」を続けるため、その際に糖分を失い時間の経過とともに品質が落ちます。そのため短時間で運ぶ必要があるため、これまで輸出するのは航空便を利用するしかなかった。しかし航空便は運賃が船便の約10~30倍と高く、店頭価格も高くなってしまうのが難点で、販路はこれまで富裕層向けに限られていました。
しかし青果物の呼吸を抑えて「冬眠状態」にする「CAコンテナ」が開発され、船便でも鮮度を落とさずに運ぶことができるようになりました。

通常の冷凍コンテナに空気成分を調整する機能をつけた「CAコンテナ」は、室温を下げると同時に窒素90%、酸素5%、二酸化炭素5%の比率に変えることができます。こうすることで呼吸を抑え2週間程度鮮度を保つので、運賃は航空便の10分の1程度に抑えられることになります。
たとえばイチゴ「あまおう」の国内価格は650円ですが航空便だと香港の販売価格は2,000円となります。しかしCAコンテナだと1,000円と手ごろな価格を実現することができ、販売量の増加に期待できます。

農業で海外勢と勝負できるようになることは素晴らしいですね。土地の広さや人件費の安さに頼らないで付加価値を生み出すことができれば、有望な産業になることができそうです。

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