尖閣諸島【溝口】

岸田外務大臣は8月9日、駐日中国大使を外務省に呼び、中国公船が尖閣諸島沖の日本領海へ侵入を繰り返していることに抗議しました。外務大臣が駐日大使に直接抗議することは異例の対応となりますが、直後に再び公船が領海に侵入しました。
外務大臣の抗議後も中国公船の領海侵入は続き「日中関係は著しく悪化している」と日本政府は認識しており、残る「対話カード」は底をつきつつあるようです。

中国公船による尖閣諸島周辺の領海侵入
日付 隻数 回数 備考
8/5 2隻 3回
8/7 6隻 11回
8/8 3隻 4回 接続水域に中国漁船400隻を伴い過去最多の15隻の公船
8/9 4隻 10回

中国外務省は、尖閣諸島周辺の漁船操業は「日中漁業協定に基づくもので、中国漁船を引き揚げさせるのは容易ではない」として、公船の増加については「協定に基づいて中国漁船が尖閣諸島に近寄らないよう管理するため」と説明しているようです。

東シナ海には例年少なくとも数千隻の中国漁船が集まりますが、今回は尖閣諸島周辺に例年の倍以上の漁船が集結しており、何らかの政治的な意図があるのではないかと見られております。
可能性が高いのが、南シナ海における中国権利を仲裁裁判所に否定された「失策」に対する批判をかわすために、「実効支配」を強めているとの見方です。

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