MRJ【溝口】

国産初のジェット旅客機MRJが、飛行試験の拠点となる米国グラント郡国際空港までの移動を3度目の挑戦で成功させました。予定より1ヶ月到着が遅れましたが、2018年半ばの納入開始時期は守られる予定となっています。

販売許可のための試験を日本で実施することが難しいため、飛行試験拠点を米国に動かしました。飛行機は安全基準が厳しく「予想されるすべての状態で操縦性を持つ」ことが求められるため、離陸直後に片方のエンジンを止めて上昇するなどの試験が必要となります。
しかしこのような危険な試験を人口が密集する日本の空港では実施が難しいため、グラント郡空港のように周りに住宅が少ない空港で実施されます。地図で確認したところ、ほとんど民家がなく農地と砂漠に囲まれた空港でした。
またグラント郡空港は、晴天率が90%以上で、定期便が無く、24時間いつでも飛ぶことができ、試験飛行にはもってこいの条件となっています。
昨年11月の初飛行から国内で重ねてきた飛行試験は100時間程度であり、MRJの安全性を証明するには計2500時間の飛行試験が必要となります。グラント郡空港の好条件を利用して試験飛行を加速していくつもりだそうです。

マイケル・クライトン作のエア・フレームという小説があります。旅客機事故の原因究明を主題とした小説ですが、航空機および航空産業全体の問題も把握できる内容となっています。旅客機に興味がある人はぜひ読んでみてください。面白い小説だと思います。

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