ネット同時配信【溝口】

総務省がテレビ番組の「ネット同時配信」を全面解禁する方針だそうです。NHKを制限している放送法を改正し、民放にも参入を促すそうです。東京オリンピック前にスマホなどで場所を選ばずテレビを見られるようにすることを目指すそうです。
スマホでネット動画を楽しむがテレビは持たないという人が増えてきています。テレビ番組をネット配信することにより番組の魅力を伝え、テレビ局が質の良い番組を作り続けられることを目的とするそうです。

ネット同時配信のメリットはテレビ放送の地域格差がなくなることです。またアンテナや受信施設を所有する必要が無くなり、テレビ視聴が低コストになります。多くの人が多種類の番組へのアクセスが可能となり、娯楽、教養の機会が増えます。
一方デメリットは、地方民放局の経営が厳しくなることです。東京キー局と同じ番組を流すことが多い地方局から視聴者を奪うことになるため、独自の人気コンテンツを持たない地方局には存在意義がなくなります。ラジオのネット同時配信が可能となっているのは独自番組を持っているためです。

「Netflix」「Hulu」「dTV」などの動画配信サービスが人気なのは好きな時間に好きな場所で視聴できるからだと思います。今回の改正は、これらのネットならではのサービスをテレビ局に求めていくということなのだと思われます。
今のままだとテレビ局は動画配信サービスに負けてしまい、現在保持している「良質なコンテンツを制作する能力を失う」という危機感からスタートしているような気がします。ITが世の中をドンドン変えていきますね。

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