GPIF【溝口】

公的年金を市場で運用している年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が、昨年10~12月期に10兆4973億円の運用益を得たそうです。2001年に自主運用を始めて以来、四半期ベースで過去最高の黒字だそうです。
昨年末の株高は、トランプ氏の米大統領就任が決まり、景気拡大への期待感が影響したとみられており、またGPIFは2014年10月から運用資産のうち株式の比率を50%に倍増させ、株価の影響を受けやすくなっていました。
昨年10~12月期の運用成績は、外国株式が4兆8213億円、国内株式は4兆6083億円の過去最高プラス。外国債券も1兆5762億円のプラスで、国内債券は5190億円のマイナスとなっています。市場で自主運用を始めた2001年以降の通算では53兆617億円の黒字で、資産総額は144兆8038億円と過去最高となっています。

現在のところ、とても素晴らしい運用成績をあげていますが、株式の比率を50%に上げ自主運用していることに問題と不安を感じます。国政の意向を酌み、国内株式の価格維持のため買い支えているとも言われており、マーケットが歪み透明性に影響を与えているようです。莫大な資産を持つGPIFの投資姿勢はマーケットに大きな影響力を持ち、機関投資家および個人投資家はGPIFの手の上で転がされているようにも見えます。

また本当の株価上昇基調にならない限り、GPIFの株式比率を下げられないことも大きな問題です。現状のような環境下でGPIFが株式比率を下げると宣言すれば、株価は大暴落すると予想されるからです。

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