タケの燃料化【溝口】

タケを放っておくと、近くの森林に拡がり木々を枯らしてしまう、という被害を引き起こします。1980年代から面積を拡大させ続けていますが、有効的な打開策が見つかっていません。
タケはカリウムや塩素を多く含むため、燃やすとボイラーを傷める物質が出てきます。そのため燃料としての利用が広がらず、大量消費の道が閉ざされていました。しかし日立製作所がタケに含まれるやっかいな物質を取り除き、燃料として加工する技術を開発したそうです。
カリウムと塩素はタケを粉砕してから水に浸け、溶け出させて取り除きます。脱水してペレット状に固めると、他の木質燃料と同等の品質となり、やっかいな物質が溶け出した水は植物の肥料として使うことができます。

タケを火力発電の材料として使用することはカーボンニュートラルな方式で、火力発電と言ってもCO2は増えず、地球温暖化には繋がりません。また強靭な性質を持ち繁殖力も強いタケは、その物質的な供給量にも問題はなく、厄介者のタケが有効活用され、竹害に悩む地域の期待を集めているそうです。

ただしこの解決策には問題があります。伐採と運搬です。強靭で強いタケは、メンテナンスフリーかつ何処でも生育が可能なため、比較的アクセスの悪い土地に栽培されています。そのため伐採のための機械が近づき難く、運搬も難しいことが多いようです。栽培地でチップ化、パイプ輸送するくらいの装備を整えないと、燃料化が可能となっても普及が難しいと思われます。
昨今、広い地域で問題となっている竹害を、なんとか解決していかなければなりません。

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