銀行リストラクチャリング【溝口】

銀行のリストラクチャリングが始まったようです。三菱UFJでは店舗網を抜本的に見直し、2023年までに行員が接客する店舗を半減させるそうです。また従来型の店舗から、信託銀行・証券会社との共同店舗、セルフ型店舗への切り替えも進めていきます。これに伴い、支店回りの人員は3000人程度減る見込みとなっています。

インターネットバンキングやコンビニATMの定着で、来店者数は10年間で4割減っているそうです。また支店内に営業時間外や週末に使える「テレビ窓口」を設置しており、窓口でしか対応できなかった業務を遂行できる高性能ATMの設置も進んでいるそうです。

 

急激な勢いで進んでいるフィンテック(ファイナンス(Finance)とテクノロジー(Technology)の2つを併せた造語で、金融ITとか、金融テクノロジーのこと)に背中を押され、ようやく重い腰をあげたという感じですね。

電子マネーやクレジットカードの決済サービス一般化や、決済に必要な機器の廉価化、決済サービス価格の下落により、現金の取り扱い業務の必要性が小さくなってきています。この流れが逆行することはないので、従来の銀行店舗の大部分を占める現金取扱は大きく減少していくと思われます。

 

体力のある三菱UFJなので、今回の再編に伴う損失400億円を贖うことができ、他銀行に先駆け店舗体制の変更を実行できますが、体力のない多くの地方銀行では一体どうなるのでしょうか?しかも広島銀行では、まだ例年並みの新卒採用者数を掲げているようなので、その将来を少し心配してしまいます。

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