中古品の流通【溝口】

中古品の流通が存在感を増しているそうです。メルカリなどの手軽な方法で個人がモノを売買できるようになり、市場規模は2兆円を突破したそうです。

以前からあった古着屋や古本屋から舞台がスマホに移ったことで、中古品流通のハードルが大きく下がったようです。消費者庁の調査によると、中古品購入の意向がある人は7割、ネットのフリマやオークションへの出品経験がある人は1割いたそうです。

市場規模は確実に広がっており2015年に1.1兆円だったものが、2017年には2.1兆円に達しています。また潜在需要は6~8兆円あると考えられ、これは国内の家電市場と同等となります。

 

中古品の伸びは新品の市場縮小と裏表の関係にあり、費用対効果を考えて中古品で済ます人が増えれば、新品の需要は減少します。書籍の場合には、アマゾンが中古本を取り扱い2000年比で25%減少してしまいました。また、アパレルはメルカリの台頭により2年連続で前年を下回っているそうです。

 

ネットのフリマ利用者の半数以上は「売却を前提に新品を購入している」そうなので、新品を取り扱っている業者は、この点に対応したビジネスを展開する必要がありますね。

中古品になっても価格が下がらない商品の開発(価値が下がるリスクが減り、新製品が売れやすくなる)、新製品を買う際に古いモデルを下取りする制度(中古品の価格をコントロールできる)、などは必須になると思われます。

「所有からシェアへ」のシフトが激しくなってきました。どのような世界になるのか愉しみです。

This entry was posted in 溝口康隆. Bookmark the permalink.

Comments are closed.