阿波おどり【溝口】

阿波おどり開催期間中の人手が108万人と、昨年に比べ15万人減少したそうです。これは2000年以降最小になるようです。

今年は曜日の並びが悪く、最終日の天候悪化もありましたが、主たる要因は「運営の混乱」による「総踊り取り止め」と考えられます。

 

昨年までの主催者だった市観光協会が4億円を超える累積赤字の表面化で破産に追い込まれ、代わって徳島市を中心とする実行委員会が主催者となりました。

そしてその新主催者が、チケット販売率向上を目指して「総踊り取り止め」をしたことで、一部有名踊り子団体が反発、協力を拒否、混乱が収束しないまま本番に突入したことでチケット販売率が低迷したそうです。

混乱のなか、実行委員会が取りやめた「総踊り」を、市と対立する踊り子グループが強行しました。「雑踏事故の危険性がある」と実行委員会が自粛を要請しているなか強行したことで、運営の混乱を日本中に印象付ける結果となりました。

 

オーナーシップを持たない実行委員会組織は、基本的に利害調整に尽力すべきだと思われますが、今回の混乱はそれが欠けていたように感じます。危険性を指摘されたなかで強行された「総踊り」は、新主催者による一方的な「総踊り取り止め」にどうしても納得できなかったのだと思われます。

旧主催者の破産から新主催者への急な移行で運営が難しかったと思われますが、利害関係者に納得してもらい協力を得ることを怠ってはいけないと感じました。次回まで1年間ありますので、ぜひ利害調整に努め、成功に導いて欲しいと思います。

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