総資産回転率【溝口】

コストコは倉庫のような店舗で、面積は平均13,000m2となり、大量陳列する商品は約3800種類で、1平方メートルあたり0.3種類となります。

一方、同じくエンドユーザー向け店舗であるローソンでは、1平方メートルあたり30種類の商品が並び、比較すると100倍もの違いがあります。

スタイルの違いはありますが、コストコでは売れ筋だけを大量に仕入れ、価格を抑え、短期間で売り切る戦略をとり、その結果として総資産回転率が3.7倍と非常に大きくなっています。これは日本の主要な上場小売業の平均値1.1倍を大きく上回っています。

アマゾンなどのネット販売におびえる小売業界ですが、コストコのような高効率企業なら独自の地位は簡単には揺るがないでしょう。

米企業は総じて資産効率が高く、主要500社の総資産回転率は0.33倍で、日本の0.25倍を上回っています。また無駄な資産を削って借入を圧縮するという財務文化を持ち合わせており、ROE(株主資本利益率)は18%と、日本の9%の2倍の水準となっています。

 

効率的経営が必要なことは理解できますが、効率性を追求するあまり、ユーザーの利便性が下がり、買い物の楽しさが減少したのでは意味がない気がします。この辺りのバランスをコストコは上手くとっているのではないでしょうか。

これまでにコストコに2度だけ行きましたが、私にとっては目新しいものばかりで楽しい買い物となりました。そして会員の人も毎週ではなく、買い溜めが必要な時だけ行くのでしょうね。

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