ダイヤモンド【溝口】

指輪ではなく、ダイヤモンドだけを渡すプロポーズが広がっているそうです。理由は価格が安いことと、恋人に気づかれず指のサイズを測ることが難しいためのようです。

価格が安いのは、インターネット上だけでダイヤを売買する企業が設立され、複雑なダイヤの流通を単純化しているため。多くの在庫を抱える原石ディーラー、輸入業者の在庫保有状況を誰でも検索できるようにしているそうです。

ダイヤモンドの品質を定義する「4C(カラット、カラー、クラリティ、カット)」は厳格な国際基準があるため、実物を見て裏切られることがなく、ネット販売と相性がいいそうです。

 

ちなみに従来のダイヤモンドの流通経路は、ダイヤモンド鉱山→デビアスグループなど→ダイヤモンド取引会社→原石ディーラー→ダイヤモンド取引所→輸入業者→1次製造卸→2次製造卸→宝飾店など、と客の手に渡るまで9段階があるようです。

これでは仮に各段階において30%ずつ利益を上乗せしたら、1段目で100だった商品が9段目で816となります。これを2段階カットできれば483、4段階カットできれば286で提供できることになります。

 

こういった複雑な既存の仕組みがある業界には、チャンスが転がっている可能性があるのですね。しかし、その世界にどっぷりハマっていると気づかないものなのでしょう。

メールに不便さを感じたチャットアプリ、銀行に不便さを感じたネット銀行、保険業界におかしさを感じたネット保険、と世の中を変えた仕組みには、おかしい、面倒くさいに気づいた人達がいて、既成と闘いながら変えていったのでしょうね。

This entry was posted in 溝口康隆. Bookmark the permalink.

Comments are closed.