個人保証【溝口】

金融機関からの借入に対する、企業経営者の個人保証について見直しが始まっているそうです。人手不足で後継者候補が少ないなか、借金に対する個人保証の不安が大きく、後を継ぐ者がおらず年間5万社のペースで廃業が起こっているそうです。

 

本来、金貸業とは、リスクを見積もり、そのリスクに応じた金利設定することで利益を得る業種であるはずですが、経営者の個人保証や資産への抵当権などを利用して、リスクが薄い状態で金利を設定しています。

これは経営者サイドとしては、安い金利を得るために人生のほぼ全てを事業に賭ける状態となり、その結果、後継者は親族以外にはあり得ない状況となってしまいます。言い換えると、本来後継すべき有能な人物が後継できず、将来に不安を残す人事となることもありえる制度です。

本来の事業リスクに対する金利負担をしたくないからと言う理由で、適切な後継者を選択できない事は、経営的に本末転倒なイメージを持ちます。

 

しかし現時点において、経営者の個人保証無しで資金を貸し出せる金融機関は極めて少ないでしょう。個人保証無しのリスクをオンして金利を計算してくださいと頼んでも、できないという回答ばかりだと思われます。

一方、大企業は社債という形で個人保証無しの資金借入を実現しています。ソフトバンクの社債は1.64%です。こう考えた場合、将来性の高い企業の金利は個人保証無しでも、3.00%未満でも良いのではないかと感じますね。個人保証有りの2.00%とでは、どちらを選択するか迷うのではないでしょうか。

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