最低賃金【溝口】

2019年度の最低賃金の引き上げが実施されます。最低賃金は4年連続で約3%の引き上げとなりました。そのため過去3年の引き上げで、時給は4年前と比べ8.7%上昇しております。しかし一方では、時給引き上げに伴う弊害も発生しているようです。

最低賃金引上げの目的は、所得拡大で消費を後押しする狙いですが、時給がアップしているにも関わらず、パート全体の所得総額の伸びは1.6%に留まっており、効果は今ひとつです。

 

その大きな理由は、これまで戦力として雇用されてきたパート主婦の就労時間調整になります。「会社員の夫に扶養される60歳未満の妻は『収入基準』以下なら年金や保険料を負担しなくてよい」とされ、時給が上がると保険料負担が生じないよう働く時間を収入基準内に減らす人が多いようです。そのため1人当たりの労働時間が大きく減ってきているそうです。

 

政府が目標としている最低賃金1000円が達成されると、収入基準を超える人が急増するとみられ、収入基準を放置したまま最低賃金を上げるとパート主婦がさらに働く時間を減らすことが予想されます。

経験を積み仕事の効率が高まり、賃金が上がった人が働く時間を減らす。これでは企業にとっては生産性が向上せず、労働者としても収入額が増えず、本末転倒となっています。

 

パート主婦の皆さんは優秀な人が多いように感じます。継続的改善の意識はどうしてもフルタイムの人より低いですが、問題解決能力および作業品質は非常に高いように思います。しっかりとフルタイムをサポートして貰えるだけで助かります。

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