ISS【溝口】

既に20年近く稼働しているISS(国際宇宙ステーション)ですが、米国政府予算の直接投入を打ち切る2025年以降の体制が決まっていないそうです。そのようななか、ISSディレクターによる「2025年以降も地球低軌道での研究活動を続ける」との表明があったそうです。

 

ただし、ISSの運用延期が決まった場合でも、リーダー的存在である米国は、国主導から民間主導へとかかわり方を大きく変更していきます。その布石としてISSの商業利用を開始しており、ISSへの貨物打上や有人の滞在にかかる費用などをまとめた価格表も公表しました。宇宙飛行士の滞在は1日当たり360万円、荷物の打ち上げは1キログラム当たり32万円になるそうです。

非常に高価なように感じますが、ISSへの往復に62億円かかることを考えれば、1カ月の滞在でも1億円ほどですから移動費と比較すれば誤差の範囲となります。

 

試験的とはいえ、価格表が公表されたことにより、宇宙旅行に現実味が出てきたように思います。まだまだ研究開発段階であり、費用対効果が発揮される状況ではないと思いますが、運用がうまく廻りコストが抑えられれば、製薬会社、素材会社などが社員を派遣することもあるかもしれません。

低重力下での製薬、素材開発は重力下とは大きく異なりますので、いきなり製造ラインに乗せるのは難しいとしても、低重力下での実証実験していくことは大切ではないかと思われます。

もちろん1日当たり360万円のコストがかからない、精密操作が可能で、簡単に操作ができる遠隔操作ロボットの開発にも期待です。

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