貿易赤字【溝口】

半年単位の貿易赤字が過去最大になったとニュースがありました。2014年上半期の貿易赤字は7兆5984億円となり、過去最長の24か月連続貿易赤字となり、その赤字幅は大きくなるばかりです。
以前より、原発停止に伴う発電用燃料の輸入増加、アベノミクスによる円安の進行により、貿易赤字が拡大していることは明らかでしたが、昨今のイラク情勢の緊迫化で原油価格が高騰していうことも赤字拡大に関係しているようです。

単純に貿易赤字ということは、日本国からその他の国へ富が流出している状態と言え、どう考えても日本にとって好ましい状態とは思えません。
現政権が「原発を早く動かす」という選択をされているのは理解できますが、補償が進まず、未だに仮設住宅に住まわれている方が多くいる中では、反対意見が多いことが予想され、難しい選択肢ように感じます。

簡単にエネルギー問題が片付くとは思えず、円安であっても生産拠点の海外進出により輸出額が増えないことは明らかになっているので、まずは円安政策から円高政策に舵を切り替えるべきだと思われます。
円高に導くには、現在実施している「円の量的緩和」を取りやめるだけで実現します。量的緩和を取りやめると株式市場から資金の引き上げが起こり、株価が下落するという意見もあるかもしれませんが日本企業の株価下落よりも、円安による毎月1兆円以上の富の国外流出のほうが、ダメージが大きいような気がします。

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