What’s a SONY【溝口】

ソニーが不動産仲介業に参入して、不動産業界の慣例を破る手数料設定を導入するようです。
通常不動産業界では、土地や建物の売買を仲介した場合、双方から3~5%の手数料を受け取るそうですが、ソニー不動産は「コストに関係なく価格が決まるのはおかしい」と考え、サービスにかかった費用を計算して手数料を決めるそうです。例えば、不動産を買う客が、紹介してもらう物件の数を絞れば安くなる、対応する営業マンの経験に応じて価格が変わるなどのようです。

最近のソニーは魅力的な家電を開発することよりも、走る距離で掛金が変わる自動車保険のソニー損保や、セブン銀行ATMでの引出手数料無料のソニー銀行、合理的な保険設計が特徴のソニー生命、かかるコストにより価格が変わる不動産仲介のソニー不動産など、既存サービスでの「ちょっと困った」という局面において、新サービスを提供することが得意のようです。

ソニーと言えば、世界の音楽シーンを変えたと言われる「ウォークマン」の開発が有名ですが、これは既存の音楽再生機を小さくしたのではなく、既存再生機では不可能だった「移動中に好きな音楽を聴く」を実現したと捉えるべきであり、そう考えると元々ソニーという企業は工学技術(情報技術)をベースに「ちょっと困った」を解決するDNAを持つ企業なのだろうと感じます。
だからこそソニーは、家電業界から遠く離れた保険業界、金融業界、不動産業界においても、情報技術により新しい枠組みを創り出し、既存業界の「ちょっと困った」を解決することが得意なのかなと感じました。

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