サクラエビ【溝口】

静岡県駿河湾の特産品であるサクラエビの不漁が長引いています。2018年秋は一度も水揚げをせず、2019年春は85トン(2018年春の3割未満)と過去最低を記録したそうです。

2019年の春漁は、あまりにも不漁がひどいので、夏以降に産卵する親エビを保護するため、本来の漁期終了より5日早く終了させたそうです。

不漁のため価格も上昇しており、2018年春の初セリで15kg当たり4万2662円だった価格が、2019年春の最終日は14万4163円と3.38倍になったそうです。

 

乏しい資源を大切に使おうと、サクラエビ料理で有名な由比地区では、秋漁が始まるまで提供できるだけの分量を確保しているそうです。ただし不漁を受けて小売価格も例年の2倍以上に値上がりしているようです。また由比漁港協青年部の運営する「浜のかきあげや」も3月30日時点で秋漁までの休業を決定していました。

ちなみに国内のサクラエビの水揚げは、駿河湾が100%となります。漁期は春が3月中旬から6月初旬まで、秋が10月下旬から12月下旬までとなります。

 

サクラエビが危機に陥っていることを知りませんでした。ブランド力を持つ水産物が獲れなくなると、その地域経済が地盤沈下を始めると思われ、ブランドに傷がつくと観光客が減少してしまいます。そのため由比地区では資源確保のため春漁の早期終了を英断し、秋漁が始まるまでのサクラエビを確保したのだと考えられます。沿岸漁業は他国との競争ではありませんので、資源保護が機能することを期待します。

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