リブラ【溝口】

フェイスブックが立ち上げようとしている新たな金融形態「リブラ」が注目されています。巨大IT企業の金融への参入は、革新をもたらす可能性と、既存の金融システムを脅かす危うさを持っているようです。

革新部分については、発展途上国では金融機関よりスマホの方が発達しており、銀行口座を持たない人達に安価な送金手段を提供する可能性があります。

危うさの部分では、データ保護の危険性と、一部の国では法定通貨以上の信用力を持つ可能性があります。

 

またリブラは価値の変動を極力抑える仕組みをとっており、安定的に保有することが可能となり、決済手段として、またとない良い通貨になります。

ただし「ある国の金融政策が国民に支持されなかった場合、自国通貨を売ってリブラを買う動きが出る可能性がある」とされ、リブラが実現した後の世界では、自国通貨に信用をおいていない多くの人達は、資産の数分の一をリブラで所有することも考えられます。

ただし資産の一部をリブラで保有する人達が出現しても、リブラには金利が付かないので、金利の高い国では人気がないかもしれません。

 

リブラは各通貨への両替を想定していますが、もっと発展的に考えると世界共通通貨になることも考えられます。世界中でリブラにて買い物ができるのであれば、国ごとの通貨は必要なくなる可能性すらあります。訪問国通貨に両替する必要が無くなり、旅行者には大きなメリットがあります。

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