アルテミス計画【溝口】

米国が2024年までに再び宇宙飛行士を月に送ると宣言しました。これを受けNASAが「アルテミス計画」を公表しました。計画の内容は、月周回軌道上にゲートウエーを造り、ゲートウエーで月着陸船に乗り換えて月面に向かうことです。

また将来的に、月面基地を造り資源開発を行い、火星探査への基盤を造ることを見据えているそうです。これは月の南極と北極に氷を発見したことから派生した計画です。月に氷が存在すれば、基地の飲料水などに使えるだけでなく、水を分解することで燃料となる液体酸素と液体水素が供給可能となります。

 

まだ人類は月面にしか到達したことが無く、月まではたった384,400kmしか離れておらず、これは火星までの距離75,280,000kmの約1/200となります。またアポロ11号は月まで102時間で到達しましたが、同速度であれば火星までは20,000時間必要となります。20,000時間とは、833日間となります。

100時間であれば訓練次第で、狭く過ごしにくい環境下でも耐えられるかもしれませんが、833日間では日常生活としてストレスが無い状態でないと実現が難しいと思われます。これが、有人火星探査が実現できていない理由だと思います。

 

しかし月軌道ゲートウエーが完成し、月面資源開発が可能となれば、後は、火星まで宇宙飛行士を送り届ける大型宇宙船さえ月軌道まで運ぶことができれば、火星の有人探査も夢ではなくなります。地球の重力圏から脱出する上で邪魔な、燃料の搭載量を減らすことができるからです。月軌道上だけでなく地球軌道上にもゲートウエーを造り、そこで燃料補給するようにすれば、より少ない燃料で重力圏から脱出できますね。

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